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ラク越コラム


手順や期限は決まっている?引っ越しで必要な国民健康保険の手続きを解説

引っ越しをして住所が変わった場合、さまざまな住所変更手続きが必要になります。

健康保険もその一つです。

会社員の場合は会社に住所変更を申し出ることで、労務関係手続きは手続きしてもらえますが、社会保険に加入していない場合は自身で行う必要があることを知っていますか?

この記事では、国民健康保険の住所変更手続きについて分かりやすく解説します。

健康保険証の住所変更方法

国民健康保険 引越し

保険証の住所変更手続きは、健康保険の種類によって異なります

それぞれの手続き方法について解説します。

健康保険の種類

健康保険には大きく次の2つの種類があります。

  • 国民健康保険
  • 社会保険

日本では、法律により国民皆保険制度が定められているので、誰もが必ずこのどちらかに加入していなくてはなりません。

健康保険に加入していない日は1日も存在しないようにどちらかの資格喪失をした際には、もう一方にその翌日から加入している状態となります。

これは、国保から国保、社保から社保の場合も同じです。

国民健康保険の場合

国民健康保険は一般的に「国保」と呼ばれ、加入している人は、自営業やフリーランス、個人事業主などです。

具体的には、社会保険(厚生年金)や船員保険、共済組合に加入していない人全般が対象者となります。

国民健康保険の住所変更手続きは、住所変更後の市町村役場の専用窓口にて行います。

申請の手続きは本人だけでなく、代理人が行うこともできます。

社会保険の場合

社会保険に加入している人は、主に健康保険の適用事業所に属している労働者です。

社会保険の住所変更手続きは、その加入している健保組合によって異なります。

しかし、個人が自身で住所変更手続きを行うケースはほとんどなく、所属している勤務先に住所変更を申し出れば、その他の住所変更手続きと共に代行して手続きを行ってくれます。

住所変更をしただけでは、ほとんどの場合、手元にある健康保険証自体は変わらず引き続き使用するため、自身で保険証に記載の住所を最新のものに変更しておきましょう。

家族を健保扶養している場合、被扶養者の分も同様に記載の住所を書き換えますが、家族のみの住所変更の届出については健保によって扱いが異なりますので注意してください。

保険証の種類によって住所変更の方法は異なる

保険証の種類によって、住所変更手続きに必要なことは異なります。

どちらの場合も速やかに申し出や手続きを行いましょう。

健康保険証は必要に応じて、返納しなくてはいけないケースがあります。

返納できない場合、別途手続き申請が必要になることもありますので、くれぐれも手元にある健康保険証は勝手に処分しないようにしてください。

国民健康保険証の住所変更

国民健康保険 引越し

国民健康保険の住所変更手続きですが、同一市内なのか、市外なのかによって手続き内容が異なります。

それぞれの手続き方法について解説します。

同一市区町村内で移動する際の国保の引越し手続き

同一市内で住所変更があった場合、居住地の市町村役場にある専用窓口にて手続きを行ってください。

本人確認ができる書類と印鑑を持参すれば、即日で新しい保険証を交付してもらうことが可能です。

保険証をすぐに使用する予定がある場合にはこちらが便利です。

また、もしその場で本人確認ができなかった場合には、健康保険証をその場で受け取ることはできず、後日郵送となります。

自治体によって手続き方法が異なる場合がありますので、詳細は事前に確認することをおすすめします。

手続き場所 居住地の市区町村役場
手続きが可能な人本人、世帯主、同居の家族(住民票が同一)
代理人
郵送での手続き不可
代理人手続き 可能
必要な持ち物■本人申請の場合
●国見健子保険証(家族分があれば一緒に)
●本人確認書類
(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等)
●印鑑

■代理人
●委任状(本人の自署押印が必須)
●代理人自身の印象と本人確認書類 

異なる市区町村へ移動する際の国保の引越し手続き

今までと異なる市区町村へと引っ越して住所変更手続きを行う場合は、引っ越す前の地域の役場で転出手続きをする必要があります

転出届けを提出するとともに、その市区町村の国民健康保険を脱退するために「資格喪失」の手続きを行います。

その後、引っ越し先の役場で転入手続きをし、国民健康保険の再加入の手続きを行い「資格取得」となります。

別の市区町村で住所変更の手続きをする際は、「資格喪失」と「資格取得」の両方を行う必要があると覚えておきましょう。

また、別の市区町村で住所変更手続きをする場合も代理人による手続きも可能です。

健康保険の住所変更手続きに期限はある?

国民健康保険 引越し

引っ越しをすると、荷物の整理を始め、さまざまな手続きもあります。

しかし、保険証の住所変更手続きには済ませておくべき期限があるので、注意が必要です。

国民健康保険の住所変更手続きは、同市内、別の市区町村のどちらの場合でも、引っ越してから14日以内の手続きが必要です。

トラブルに巻き込まれないように、早めに手続きを済ませておくようにしましょう。

ちなみに、社会保険の健康保険の場合には、国民健康保険と異なり明確な期限が設けられていません

だからといって後回しにしてしまうと健康保険だけでなく年金に関しても支障が出る恐れがありますので、速やかに勤務先へ申し出るようにしてください。

手続き期限を過ぎるとどうなる?

国民健康保険の住所変更手続きで、特に別の市区町村に引っ越した場合に、資格喪失手続きや引っ越し先での新規加入手続きの期限が過ぎた場合のリスクについて解説します。

まず、資格喪失手続きの期限を過ぎてしまった場合、きちんと手続きを行っていれば支払う必要のなかった旧住所での保険料が請求される可能性があります。

また、新規加入の手続きを怠った場合には、本来加入しているべき時点までさかのぼって精算する必要があります。

最長で2~3年間分までさかのぼって保険料を支払うことになるので、気を付けましょう。

国民健康保険の住所変更をしないとどうなる?

国民健康保険 引越し

国民健康保険は保険料を住んでいる市区町村に納めます

医療機関を受診した際、自己負担額以外の分は各市町村がその保険料の中から支払ってくれています。

健康保険の手続きはそういった医療機関での診療や調剤薬局での薬の処方と密接な関わりがあります。

住所変更を正しく行わないと、医療機関からの市区町村への請求に影響を及ぼすことになります。

保険料が全額自己負担になる

健康保険の住所変更手続きをしないまま医療機関を受診した場合、仮に保険料を納めていたとしても、費用が全額自己負担となる場合があります。

診療内容によっては医療費が高額になることもありますので、健康保険に関する手続きは確実に期限内に行いましょう。

また、万が一、過払いが発生していた場合は、住所変更手続きを行った後に払い戻しができます

過払い金の精算方法

健康保険で過払いが発生した場合には、正しく情報を整えた上で払い戻しを受けることができます。
その場合は、次のものを用意してください。

  • 療養費申請書
  • 医療機関の領収書及び診療報酬明細書
  • 健康保険証
  • 印鑑
  • 払戻し先の銀行口座が分かるもの

上記のものを準備したら、各自治体の国民健康保険課にて申請してください。
過払い金の払戻しの期限は「2年間」なので、注意しましょう。

ちなみに、社会保険の場合は加入している組合によって異なります。
会社が代行してくれる場合もあるので、まずは勤務先で相談してみると良いでしょう。

未払い分の保険料をまとめて支払うことになる

今までとは別の市区町村へ引っ越した場合に、健康保険の加入手続きが完了していないと保険料の請求が滞ることがあります。

その場合は、保険料が未納の状態となるため、滞納分を後日まとめて支払うことになります。

収入によっては、保険料がまとまった額になると負担が大きくなる場合もあるため、このようなリスクを避けるためにも、健康保険の加入手続きは漏れなく行いましょう。

マイナンバーカードを保険証と一体化するメリットと手順

国民健康保険 引越し

2021年10月よりマイナンバーカードを健康保険証として利用できる仕組みがスタートしました。

医療機関や調剤薬局において健康保険証を忘れてもマイナンバーカードを一体化させておけば健康保険証の役目を果たしてくれるため便利です。

まだまだマイナンバーカードの普及率、利用率は高いとは言えませんが、健康保険証がゆくゆく廃止されることは決定しています。

ここではマイナンバーカードと健康保険証を一体化させることのメリットや手続きの方法について解説します。

一体化しておけば、新しい保険証の発行を待たなくてOK

健康保険証は手続きに時間を要し、手続き中は不携帯となってしまう場合が少なくありません。

そのため、手元に健康保険証がない期間に医療機関を受診する場合はとても不便でした、

マイナンバーカードを健康保険証と一体化させておけば、健康保険証が発行されて手元に届くよりも早く連携されるため、それまでどおりに医療機関や調剤薬局を利用できます。

これが、健康保険証とマイナンバーカードが一体化するにあたっての最大のメリットだといえるでしょう。

マイナンバーカードを保険証と一体化する手順

まず、前提としてマイナンバーカードの発行手続きが済み、手元にマイナンバーカードがあることが必須となります。

まだマイナンバーカードを発行していない場合は、マイナンバーカードの発行手続きを先に行いましょう。

国民健康保険とマイナンバーカードの一体化はマイナポータルサイトからオンラインで簡単に申込可能です。

スマホを使ってマイナンバーカードと健康保険証を一体化する方法

スマホを使って、マイナンバーカードと健康保険証を一体化する手順は以下のとおりです。

  1. マイナポータルにログインをし、規約に同意する
  2. 予め決めてあるマイナンバーカードの暗証番号4桁を入力します
  3. 暗証番号を入力後、スマホでマイナンバーカードを読み取れば申込完了です

より詳しい手順については、マイナポータルのサイトを確認してください。

国民健康保険と一緒に国民年金と印鑑登録の手続きも済ませる

国民健康保険 引越し

国民年金と印鑑登録も住所変更手続きが必要です。

健康保険の住所変更手続きとあわせて、国民年金と印鑑登録の手続きも済ませることをおすすめします。

国民年金(第1号被保険者)の住所変更

国民年金の被保険者は、職業などによって次の3つの種類が存在します。

  • 第1号被保険者
    └20歳~60歳未満の自営業者や農業者、学生や無職の人など
  • 第2号被保険者
     └会社員や公務員
  • 第3号被保険者
     └第2号被保険者の扶養者で年収130万円みみあんの20歳~60歳未満の配偶者

第2号や第3号の被保険者の場合は、住所変更を申し出れば会社が代行して手続きを行ってくれます。

マイナンバーと基礎年金番号が紐づいている場合には、改めて届出を行う必要がないため便利です。

しかし、第1号保険者の場合でマイナンバーと基礎年金番号の紐づけができていない場合は、じゅうしょ変更の手続きが必要になります。

国民年金の手続きも本人ができない場合、代理人に手続きしてもらうことができます。

印鑑登録の住所変更

これまでとは異なる市区町村へ引っ越した場合は、印鑑登録上の住所変更手続きも必要になります。

印鑑登録も保険の「喪失」と「加入」のように「抹消」と「登録」の手続きが必要になります。

この手続きも市区町村への転出・転入の届出とともに済ませることをおすすめします。

新しい住所で国保へ加入する前に病院にかかったらどうなる?

国民健康保険 引越し

健康保険の手続きが終わってない場合、資格を証明することができないので、いったん医療費は全額負担で支払うことになります。

ただし、加入手続きが完了すれば、保険負担分は払戻精算ができるので安心してください。

手続き中で健康保険が手元にない場合に医療機関に行きたいときは?

新しい健康保険証が手元に来る前に医療機関にかかる場合は、市区町村の窓口にて健康保険証の資格を証明してくれる「資格確認書」の発行を依頼すれば、健康保険証の代わりとして医療機関に提示して利用ができます。

国保の資格喪失手続きが遅れた場合の保険料は?

国民健康保険の喪失手続きのタイミングによっては、引落しの回避ができずに旧住所と新住所の両方で支払う事態が発生することもあります。

手続きをすれば、後から精算してもらえますが、時間と労力を要します。 できる限り遅れることなく手続きを済ませるようにしましょう。

国保の保険料は引越し手続きで日割り計算される?

結論から言うと、健康保険の保険料は日割り計算されることはありません

その月の最終日に加入していたところで、月割りで健康保険料を納めることになります。

これは、国保から国保の場合も、社保から社保の場合も、国保から社保の場合も同様です。

つまり、月の途中で脱退したからといって、その月の保険料を納めなくても良いことにはならないので、注意してください。

さかのぼって、納めるべきところへ結局は支払うことになります。

国民健康保険の手続きは忘れないように注意!

国民健康保険 引越し

引っ越しをした際の国民健康保険の手続きについてまとめて解説しました。

引っ越しにはさまざまな手続きや作業が発生しますが、健康保険の手続きを後回しにしてしまうと、余計な手間やトラブルを後々抱えることになりかねません。

予期せぬ出費や面倒を防ぐためにも健康保険の住所変更手続きは速やかに済ませておきましょう。

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