ラク越コラム
高すぎる住民税をなんとかしたい!引っ越しで二重請求?免除方法は?
2024年3月22日
5月から6月にかけて届く住民税の通知書を見て、高すぎる住民税に頭を抱える人は少なくありません。
また、引っ越しをしたせいで二重請求になっているのでは?と金額に疑問や不安を抱く人もいるでしょう。
この記事では、住民税の二重請求が起きる可能性や住民税の免除・減免はできるか、住民税の節税方法を解説しているので、高すぎる住民税に悩んでいる人は、この記事で住民税の支払い負担を軽減できないか確認してみてください。
住民税とは
日本には約50種類の税金があり、税金の種類によって、納め先や目的が異なります。
住民税は県民税や市民税の総称で、地方自治体が、教育福祉や衛生・救急などの公共サービスを提供するための貴重な財源です。
住民税は前年度の所得に応じて算定されるため、社会人2年目の6月になると、住民税の支払い義務が生じます。
住民税に二重請求が起きる可能性はほぼない
住民税は、1月1日時点で住民票に記載されている住所を管轄する自治体へ支払うため、住んでいる市区町村が変わったからといって、二重請求が起きる可能性はありません。
ただし、住民税の支払い方法の切り替えのタイミングによっては、二重に住民税が決済されてしまう可能性があります。
しかし、払いすぎた住民税は必ず返納されるため、二重請求によって損することはありません。
住民税の計算方法
住民税は、均等割と所得割が合算されて請求されます。
均等割は、全国どこに住んでいても一律の金額が課税されますが、自治体によって独自の税額を設定していることもあるため、住民税を計算する前に、お住まいの自治体のホームページを確認するのがおすすめです。
下記に、住民税の計算式を記載しているので、ご自身の住民税を算出する際の参考にしてください。
住民税の計算式
- 所得金額-所得控除額=課税所得金額
- 課税所得金額×10%(税率)=所得割額
- 所得割額+1,500円(均等割額)=住民税
給与等の収入金額 | 所得控除額 |
---|---|
~1,625,000円 | 550,000円 |
1,625,001円~1,800,000円 | 収入金額×40%-100,000円 |
1,800,001円~3,600,000円 | 収入金額×30%+80,000円 |
3,600,001円~6,600,000円 | 収入金額×20%+440,000円 |
6,600,001円~8,500,000円 | 収入金額×10%+1,100,000円 |
8,500,001円~ | 1,950,000円(上限) |
住民税の支払い方
住民税の支払い方法には、普通徴収と特別徴収の2種類があり、普通徴収は、個人事業主やフリーランス、アルバイト、パートなどの、特別徴収が実施されない人を対象とした支払い方法です。
6月・8月・10月・1月の計4回に分けて、納付書または口座振替で住民税を納付します。
一方特別徴収は、会社が従業員に代わって住民税を支払う方法で、事業者は給与から天引きする形で住民税を徴収し、翌月の10日までに市区町村に納付しなくてはいけません。
住民税を滞納したらどうなる?
住民税を滞納すると、支払い期日から20日以内に督促状が届きます。
支払い遅延期間によって異なりますが、年率2.4%~8.7%の遅延金も発生するため、住民税の滞納を見つけたら、速やかに納付するのがおすすめです。
住民税を滞納すると、定期的に督促状が送られてくるため、時効が成立することはほぼなく、最悪の場合、滞納処分として給与や財産の差し押さえに合う可能性があります。
住民税の手続きが必要なタイミングと方法
引っ越しや就職、退職をした際には、住民税の手続きが必要です。
それぞれ、いつまでに、どのような手続きをしたらいいのか解説します。
引っ越しをしたときの
引っ越しをした際の住民税の手続きは、転居届や転出届を提出することで完了します。
転居届や転出届は、引っ越し後14日以内に提出することが義務づけられているため、期限に遅れないように管轄の自治体に提出しましょう。
転居届や転出届を提出せずにいると、5万円の過料が発生する可能性があります。
就職・退職をしたとき
就職や退職をしたときの手続きは、基本的に会社で行うため、自分で書類を提出する必要はありません。
就職の場合は、普通徴収から特別徴収に、退職の場合は特別徴収から普通徴収に変わるため、これまでと住民税の納付方法が変わります。
また、退職後すぐに別の会社に就職する場合は、前の会社で給与所得者異動届出書を作成してもらい、新たな職場で必要な箇所を記載、提出してもらいましょう。
住民税が高すぎて払えない!免除や減額はできないの?
住民税は、基本的に免除や減額ができません。
しかし、特定の理由がある場合に限り、住民税の免除や減額が受けられる可能性があるので、該当する人はお住まいの自治体へ相談してみてください。
この章では、住民税の免除や減額が受けられる人の紹介と、手続きの方法を紹介します。
住民税が免除される人
住民税が免除される可能性がある人は、下記3つのいずれかに当てはまる人です。
それぞれの項目をくわしく解説します。
生活保護法の規定による生活扶助を受けている人
生活保護制度では、生活保護を8種類に分けていて、生活扶助は、困窮によって人間的な生活を維持できない人のために、食費・被服費・光熱費などを給付する制度のことです。
1月1日の時点で、生活扶助を受けている人は、自動的に住民税が非課税になるため、特別な手続きは必要ありませんが、1年の途中から住民税の免除を受けたい場合は、別途申請が必要なので、ケースワーカーに相談しましょう。
障害者・未成年者・寡婦・ひとり親で前年の合計所得金額が135万円以下の人
障害者・未成年者・寡婦・ひとり親で、前年の合計所得が135万円以下の人は、自動的に住民税が免除されるため、自治体への申請は必要ありません。
合計所得とは、給与収入から給与所得控除を差し引いた金額のことで、給与収入が204万4,000円までであれば、住民税非課税にあてはまります。
前年の合計所得が一定の額以下の人
前年の合計所得が一定額以下の人も、住民税が自動的に免除されます。
住民税が免除される条件は、以下の通りです。
所得割の課税・非課税 | 条件 |
---|---|
所得割が課税される場合 | 35万円×(本人+被扶養者の人数)+21万円 (被扶養者がいる場合のみ加算)+10万円以下の人 |
所得割が非課税の場合 | 35万円×(本人+被扶養者の人数)+32万円(被扶養者がいる場合のみ加算)+10万円以下の人 |
また、以下に当てはまる人も住民税が自動的に免除されます。
属性 | 条件 |
---|---|
アルバイト・パート | 給与収入が100万円以下 |
65歳以上で年金受給のみの人 | 年金収入が155万円以下 |
65歳未満で年金受給のみの人 | 年金収入が105万円以下 |
不動産収入等所得がある人 | 収入から必要経費を引き、合計所得が45万円以下 |
住民税が減額される人
これから紹介する5つのうちのどれかに当てはまる人は、住民税が減額される可能性があります。
住民税の減額には、必ず自治体への申請が必要です。
必要な書類を集め、自治体に相談してみましょう。
失業中の人
倒産や会社都合での解雇によって失業した場合、雇用保険に一定期間加入していれば、失業中の求職活動期間の住民税が減額される可能性が高いです。
条件に当てはまっていても、自治体に申請しなければ住民税の減免は受けられないので、必ず下記の書類を持って、自治体の税務課に相談に行きましょう。
ただし、失業しても前年の給与所得を超える事業所得がある場合や、自己都合の退職、定年退職は住民税の減免が受けられません。
- 減免申請書
- 退職日が確認できる書類の写し(雇用保険受給資格者証、離職票、退職証明書など)
- 今年の所得が確認できる書類の写し(給与所得の源泉徴収票、給与明細書、年金支払通知など)
前年に比べて大幅な所得減少が見込まれる人
廃業や業績不振などで、前年に比べて6割以上の大幅な所得減少が見込まれる人は、住民税が減免される可能性があります。
減免割合は扶養家族の有無や資産などによって異なるため、詳しくは、下記の書類を持って自治体で相談してみましょう。
- 収入の減少状況がわかるもの(直近6ヶ月分の給与明細書、売上帳簿類、預金通帳類など)
- 前年の所得がわかるもの
- 資産保有状況がわかるもの
災害による被害を受けた人
災害によって被害を受けた人は、住民税の減免が受けられます。
納税者が震災によって死亡した場合は住民税の免除、障害が残ってしまった場合は住民税が90%免除など、被害状況に応じた措置が取られているため、被害状況を写真や診断書として、しっかり記録しておくことが大切です。
災害による住民税の減税を受ける場合は、申請理由に合わせて以下の書類を集めて自治体に相談に行きましょう。
- 必須:り災証明書
- 必須:固定資産税の納税通知書
- 必須:災害により受けた損害の金額がわかるもの
- 必須:本人確認書類
- 診断書
- 住宅・家財等の取得価額のわかる書類の写し
- 保険金・損害賠償金の支払い金額のわかるもの
- 復旧費用がわかるもの
勤労学生
名古屋市では、勤労学生控除を受けている学生は、住民税減免の申告がなくても住民税の全額が免税されます。
ほかの自治体でも、勤労学生控除を受けている人は、住民税の免税が受けられる可能性があるので、管轄する自治体のホームページをチェックしてみましょう。
勤労学生控除を受ける条件は、以下の通りです。
- 合計所得金額が75万円以下、給与所得以外の所得が10万円以下
- 下記いずれかの学生であること
小学校・中学・高等学校・大学・高等専門学校・専修学校・認定職業訓練を行う職業訓練法人
長期療養を要する人
病気やケガが原因で長期療養が必要になった場合、住民税の減免が受けられる可能性が高いです。
実際に、小牧市では、6か月以上の療養が必要で、前年の所得が105万円以下の人は全額免除、105万円~210万円の人には100分の50を免除しています。
長期療養による住民税の減免は、自治体によって適用条件や減免割合が異なるため、医師の診断書と本人確認書類をもって、自治体窓口へ相談してみてください。
住民税の負担を減らす方法
免税や減税には当てはまらないが、なんとかして住民税の負担を減らしたいというときは、住民税の控除や分割納付を利用するのがおすすめです。
住民税の控除
住民税の控除には、所得控除と税額控除があります。
所得控除とは、生活状況や所得に合わせて、所得から一定の金額を差し引くことです。
税額控除は、所得税額から一定の金額を差し引くことで、税額から直接控除できるので、所得税よりも有利といわれています。
所得控除 | 税額控除 |
---|---|
雑損控除 医療費控除 寄付金控除 社会保険料控除 小規模企業共済等掛金控除 生命保険料控除 地震保険料控除 寡婦・ひとり親控除 障害者控除 勤労学生控除 配偶者控除 配偶者特別控除 扶養控除 基礎控除 | 調整控除 寄附金税額控除 配当控除 住宅借入金等特別税額控除(住宅ローン控除) 外国税額控除 配当割額または株式等譲渡所得割額の控除 |
分割納付
住民税は、納付書に記載されている期日通りに納付することが原則とされていますが、事情があって期日通りの納付が難しい場合は、分割納付ができる場合があります。
3か月分を一気に納付するのが難しいという場合は、住民税を最大12分割して納付できるので、無理なく納付できるでしょう。
ただし、分割納付の可否は担当者の裁量にもよるため、分割納付を希望している人は、自治体の担当課で相談してみてください。
誰でも利用できる住民税の節税方法
住民税の免除や控除に該当するものが少ない人は、下記5つの制度を活用するのがおすすめです。
特に、個人型確定拠出年金制度(iDeCo)やふるさと納税は、メリットの多い控除方法として注目を浴びています。
まだ利用したことがないという人は、ぜひ挑戦してみてください。
- 医療費控除
- セルフメディケーション税制
- 特定支出控除
- 個人型確定拠出年金(iDeCo)
- ふるさと納税
住民税の節税には正確な年末調整や確定申告が必須!
この記事では、住民税の基本情報や、減免方法を中心とした話題について取り上げました。
年々多くなる支出に備えて、住民税を節税したいという人は、所得控除や税額控除をフル活用して、節税するのがおすすめです。
控除される費用は、1年間分をしっかり把握し、年末調整や確定申告で漏れがないように申告しましょう。
引っ越ししたら自動車税の住所変更を|怠ると税金滞納や差し押さえのリスク
ラク越でスマートな引っ越し!
「ラク越」ではオンライン見積もりでスマートな引っ越しができます。
間取りや引っ越し人数など、基本的な情報を入力するだけで引っ越しの見積もりが可能です。
「安心」「簡単」「便利」な引っ越しで女性利用者からの評価が高く、コロナ禍の引っ越しにも便利なサービスとなっています。
LINEのアカウントがあれば見積もりから契約・支払までスマートに手続きが完了するため、引っ越し前のバタバタした時期にも安心して利用できます。
特許を取得している「見積り訪問不要システム」では電話やWEBでお部屋の家財をすべて㎥数(量)で正確に測定。
約140万件の実績を誇る最新鋭の見積りシステムによってスマートな引っ越しを支援します。