ラク越コラム
孤独死から葬儀までの流れは?費用や遺骨・遺品の取り扱いまで解説
2024年8月22日
孤独死は、遺族や関係者にとって突然の悲報となり、適切な手続きや対応が求められます。
遠方で暮らす親のことが気になっている方や親族がおらず独居生活が不安な方も多いでしょう。
本記事では、孤独死が発生した際の一連の流れについて詳しく解説します。
通報から現場検証、身元確認、そして葬儀までのステップを追いながら、遺骨や遺品の取り扱い方法、葬儀費用の詳細についても触れています。
孤独死に対する準備や予防策も合わせて紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
孤独死から葬儀までの流れ
孤独死が発生した場合、葬儀までにはいくつかのステップが必要となります。
以下に、孤独死から葬儀までの流れを詳しく見ていきましょう。
<孤独死から葬儀までの流れ>
- 救急車か警察に通報
- 現場検証
- 身元確認と遺族の捜査
- 葬儀|火葬
1.救急車か警察に通報
孤独死を発見した場合、最初に行うべきことは、救急車か警察に通報しましょう。
発見者は状況を冷静に判断し、適切な機関に連絡を取ることが重要です。
救急車が到着する前に、可能であれば状況を記録しておくと後の手続きがスムーズに進みます。
2.現場検証
通報を受けた警察が到着すると、現場検証が行われます。
警察は現場の状況を確認し、死因を特定するための調査が行われます。
また、必要に応じて検視官が派遣され、検視が行われることもあるでしょう。
この過程では、事件性がないかどうかを慎重に確認します。
3.身元確認と遺族の捜査
現場検証が終わると、次に行われるのは身元確認と遺族の捜査です。
現場検証によって身元が判明すると、警察は速やかに死体検案書とともに遺体を遺族に引き渡す手続きを行います。
亡くなった方の公的書類や契約書を参照して遺族関係を調査し、親子・兄弟・親戚など血縁関係が近い順に連絡します。
発見者が大家さんの場合、大家さんが直接家族や保証人に連絡するケースもあるでしょう。
現場検証で身元が判明しない場合、遺体はDNA鑑定などの検死を行うために専用の保管庫へ移動されます。
保管料は一泊約2,000円で、後日遺族に請求されます。
孤独死の場合、身元が判明しても遺族が見つからないケースが多い傾向です。
4.葬儀|火葬
身元が確認され、遺族に連絡が取れた後は、遺族が葬儀社を選び、葬儀の形式や日程を決定します。
孤独死の場合、遺族が遠方に住んでいることも多いため、スケジュール調整が必要な場合も多い傾向です。
葬儀は通常の流れで行われ、遺体は火葬されます。葬儀社が遺体の搬送や葬儀の手続きをサポートし、スムーズに進行するように調整します。
孤独死で遺族が見つかった場合と見つからなかった場合の違い
孤独死が発生した際、遺族が見つかるかどうかでその後の対応に大きな違いがあります。
遺族が見つかった場合と見つからなかった場合の対応の違いについて詳しく見ていきましょう。
遺族が見つかった場合
警察は遺族に連絡を取り、必要な手続きや対応について説明します。
遺族が対応することで、葬儀や遺品整理、遺骨の処理などがスムーズに進むでしょう。
葬儀費用
葬儀は遺族の意向に基づいて行われます。
遺族が葬儀社を選び、葬儀の形式や日程を決定し、宗教的儀式や個別の要望が反映された葬儀が行われることが多い傾向です。
葬儀費用
遺族がいる場合、一般的な葬儀と同様に、喪主を務める親族が葬儀費用を負担することがほとんどです。
葬儀費用を抑えるためには、家族葬のような小規模な葬儀を選択する方法があります。火葬料金を含む葬儀費用の全国平均は100万円前後です。
一般葬を選択した場合でも、いただく香典の額によっては、費用の負担がある程度軽減されることがあります。
遺骨
遺族が見つかった場合、遺骨は遺族に引き渡されます。
遺族は、遺骨を家族墓に埋葬するか自宅に保管するかなどの選択が可能です。
しかし、孤独死の場合は親族が遺骨の引き取りを断るケースも少なくありません。
この場合、遺骨と遺品は自治体が管理することになります。
遺族が見つからない場合
遺族が見つからない場合、葬儀の手配などは行政が対応することになります。
自治体が主体となって、葬儀や遺品整理などの手続きを進めます。
この場合、行政は法的手続きに従って対応するため、手続きが遅れることもあります。
葬儀
遺体を引き取る遺族がいない場合や身元不明である場合、「行旅病人及行旅死亡人取扱法」に基づき、地元自治体が火葬を行います。この場合、簡素な葬儀が行われることが一般的です。
自治体の予算や規定に基づいて、最小限の手続きと費用で葬儀が進められます。
葬儀費用
遺族がいない場合であっても、亡くなった方の身元が判明している場合には、自治体から葬祭扶助という給付金を受け取ることができます。
葬祭扶助は、経済的に困窮している人に対して最低限の葬儀を行うための費用を支給する制度です。
一般的には、読経などを省いた火葬のみの直葬が行われ、支給金額は20万円前後が目安とされています。
ただし、故人に遺産がある場合は、支給金額からその分が差し引かれることになります。
葬祭扶助を受けられる条件としては、亡くなった方が生活保護を受けているなど経済的に困窮している場合や、扶養義務者がおらず、遺族以外の人が葬儀を手配する場合があります。
これらの条件を満たしている場合には、喪主や葬儀社が自治体に事前に申請することで、葬祭扶助を受けることが可能です。
葬儀費用は行政が負担し、かかった費用は法定相続人や扶養義務者などに請求されます。
費用が限られているため、豪華な葬儀は難しいですが、故人を丁寧に弔うための基本的な手続きは行われます。
遺骨
遺骨の管理は行政の責任で行われますが、遺骨を永続的に管理することが難しいため、一定の保管期間を設けています。
自治体ごとに異なりますが、多くの場合、約5年間です。
この保管期間が過ぎると、遺骨は無縁塚(むえんづか)に埋葬されます。
無縁塚には身寄りのない人の遺骨がまとめて埋葬されており、個別に墓を作って埋葬されるわけではありません。
また、後から遺骨を取り出すことはできないことを覚えておくと良いでしょう。
孤独死によって発生するリスク
孤独死が発生すると、特殊清掃の必要性、遺族の心の準備ができないこと、望む葬儀が行えないことなど、多くのリスクや問題が生じます。
<具体的なリスク>
- 特殊清掃が必要になる
- 遺族の心の準備ができない
- 望む葬儀が行えない
特殊清掃が必要になる
孤独死が発生した場合、発見までに時間がかかることが多く、遺体の状態が悪化していることがあります。
そのため、遺体が発見された後には、特殊清掃が必要になる場合も少なくありません。
特殊清掃は、通常の清掃では対処できない悪臭や細菌、体液などを除去するための専門的な作業です。
作業は専門業者に依頼する必要があり、費用も高額になることが多く、清掃が終わるまでの間、周囲の住民に迷惑がかかることもあります。
遺族の心の準備ができない
孤独死は突然の出来事であり、遺族が心の準備をする時間がありません。
突然の訃報に対して、遺族はショックを受け、深い悲しみや混乱に陥ることがあります。
また、遺族が遠方に住んでいる場合、すぐに駆けつけることができず、対応が遅れることもあるでしょう。
そのため、遺族の精神的な負担が非常に大きくなり、心のケアが必要となることがあります。
望む葬儀が行えない
孤独死が発生した場合、遺族が望む形の葬儀を行うことが難しくなることがあります。
遺族がすぐに駆けつけることができない場合や遺族が見つからない場合は、葬儀の準備が十分に行われず、簡素な葬儀になってしまうのです。
また、遺族がいない場合は、行政が主導して葬儀が行われるため、故人の意向や家族の希望が反映されない可能性もあります。
このような状況では、遺族が後悔や無念を感じることも少なくありません。
孤独死を回避するためにできること
孤独死は避けたいものですが、日頃から防ぐための対策や万が一の事態に備えた準備が大切です。
何かあった時のために今からできる準備をみていきましょう。
<今から準備できること>
- 周囲の人とコミュニケーションを取る
- 訪問系のサービスを利用する
- 葬儀の事前相談・準備をしておく
周囲の人とコミュニケーションを取る
一人暮らしをしている高齢者は女性の方が多いですが、孤独死の割合は男性の方が高い傾向です。
これは、周囲の人とのコミュニケーションが大きく関わっています。
男性は退職後に一人で活動することが多く、異変があっても気付いてもらえないことが多いのです。
一方で、女性はコミュニケーション力が高い人が多く、何かあった時に気付いてもらえる可能性が高まります。
孤独死を防ぐためには、周囲の人とのコミュニケーションが重要です。
訪問系のサービスを利用する
訪問介護や日用品の宅配サービス、宅食サービスなど、自宅まで来てくれるサービスを利用することで、サービススタッフと日常的に関わりを持つことができます。
何か異変があった時にも気付いてもらえる可能性が高くなるでしょう。
葬儀の事前相談・準備をしておく
あらかじめ葬儀の内容や依頼先を決めておくことで、万が一の時に備えることができます。
葬儀の段取り・進行・納骨までをすべて任せられる「生前契約」もおすすめです。
生前契約は、元気なうちに葬儀を契約しておくことで、他者に負担をかけたくない場合や、最期を自分の望むようにしたい場合に適しています。
葬儀の事前準備としては、自分の葬儀の希望を「エンディングノート」に書き込んでおくことも重要です。
まとめ
孤独死は誰にとっても避けたい事態ですが、万が一発生した場合に備えて適切な手続きや準備を知っておくことが大切です。
遺族がいる場合といない場合で対応は異なりますが、いずれのケースでも迅速かつ冷静な対応が求められます。
本記事で紹介した情報を参考に、孤独死後の葬儀や遺品整理の手続きをスムーズに進めていただければ幸いです。
普段から周囲とのコミュニケーションを大切にし、孤独死を未然に防ぐ対策も心がけておきましょう。
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