ラク越コラム
家賃値上げの正当な理由とは?家賃値上げの手順や成功させるポイントを解説
2023年8月30日
家賃値上げの正当な理由について知りたいと悩んでいませんか?
家賃値上げが認められる正当な理由は、相場よりも家賃が安かったり、資産物価が上昇したなどが挙げられます。
この記事では「家賃値上げの正当な理由」について紹介します。
他にも「家賃値上げをすると起きる可能性があるトラブル」や「家賃の値上げを成功させるポイント」についても解説します。
ぜひこの記事を参考に、家賃値上げの正当な理由について理解を深めてみてください。
また「引っ越しの準備はいつから始めるべきか」について知りたい方は、こちらにて解説を行っておりますので、ぜひ確認してみてください。
家賃値上げが認められる正当な理由
家賃値上げが認められる正当な理由については、以下があります。
- 相場よりも家賃が安い
- 全体的な物価上昇
- 建物や土地の評価が上がった
それぞれの理由に紹介します。
相場よりも家賃が安い
家賃値上げが認められる正当な理由の一つとして、賃貸物件の家賃が相場よりも安いことが挙げられます。
周辺の賃貸物件と比較して、住んでいる家賃が極端に安い場合には、適切価格ではないと判断されるので、家賃値上げが認められます。
例として、住んでいる賃貸が7万円なのに対して、周辺の賃貸物件相場が10万円だった場合は、相場との差額3万円分の家賃の値上げが認められる可能性が高いです。
実際に、借地借家法第32条でも、建物の賃貸に比較して不相当となった際には家賃の値上げが可能と定められています。
このように、相場よりも家賃が低い場合には、大家の都合ではなく、法律に基づいた正式な理由として扱われます。
全体的な物価上昇
全体的な物価上昇が起きると、賃貸物件の価値も上がってしまうので、家賃値上げが認められる正当な理由になります。
また、賃貸需要の増加によって周辺の家賃相場が上昇したケースについても、家賃値上げが認められます。
逆に、全体的に物価が下がってしまうケースについても、家賃を下げる正当な理由として扱われるので、注意が必要です。
全体的な物価上昇をしているのにも関わらず、家賃値上げをせずに損をしてしまうのを防ぐためにも、周辺賃貸の家賃相場は定期的に確認するようにしましょう。
建物や土地の評価が上がった
建物や土地の評価が上がるケースについても、家賃値上げが正式に認められる理由になります。
実際に、借地借家法第32条では、変動により不相当になった場合には、増減を請求できると記述されています。
例として、住んでいる賃貸の周辺地域で、街の再開発や駅開発などが行われて利便性が高くなった場合には、その地域に住みたいと思う人が増えるので、家賃相場が上がる傾向です。
周辺物件の家賃相場が高くなっている場合には、入居者にその旨を伝えて家賃が高くなることをなるべく早く伝えるのをおすすめします。
家賃の値上げが認められないケース
具体的に、家賃の値上げが認められないケースについては、以下の3つがあります。
- 家賃相場よりも大幅な値上げ
- 経済的な都合による値上げ
- 賃貸借契約に家賃増額禁止が記載されている
それぞれのケースを解説します。
家賃相場よりも大幅な値上げ
家賃相場よりも大幅な値上げをしてしまうと、家賃の値上げが認められないので注意が必要です。
家賃相場よりも大幅な値上げは、入居者の生活を困窮させてしまうリスクがあります。
また、入居者は簡単に退去できない弱い立場になるので、相場よりも高い家賃に値上げをしてしまうと、拒否することが難しくなるのも、家賃値上げが認められない理由の一つです。
経済的な都合による値上げ
経済的な都合による値上げについても、家賃の値上げは認められません。
基本的に、個人的な経済的事情によって、入居者に対して家賃の値上げをするのは禁止されています。
家賃を上げて儲けたいや賃貸物件の収支が赤字などの理由は、大家の勝手な都合として扱われるので、家賃値上げの正当な理由としては認められません。
賃貸借契約に家賃増額禁止が記載されている
賃貸借契約に家賃増額禁止が記載されている場合は、賃貸借違反となるので家賃の値上げが認めらません。
大家と入居者との間で、賃貸借契約書に「家賃5年間据え置く」と記載されている場合には、原則としてどんな理由があろうと5年間は家賃の値上げができません。
万が一、賃貸借契約に家賃増額禁止が記載されているのに対して、強制的に家賃を上げてしまうと、最悪の場合は訴えられてしまうリスクがあるので注意が必要です。
家賃値上げをすると起きる可能性があるトラブル
家賃値上げをすると起きる可能性があるトラブルについては、主に以下の4つが挙げられます。
- 家賃値上がりを拒否される
- 解約されてしまう
- 家賃の支払いを拒否されてしまう
- 夜逃げされてしまう
それぞれのトラブルを紹介します。
家賃値上がりを拒否される
家賃値上げをしたことによるトラブルでもっとも多いのが、入居者からの家賃値上がりの拒否です。
家賃の値上げ幅が大きければ、入居者からの支払拒否が起きてしまう可能性が高くなります。
入居者から家賃値上がりの拒否をされてしまうと、強制的に取り立てを行ったり、法的な手続きをするなどの手間や費用がかかってしまうので、大家にとって大きな負担になってしまいます。
さらに、法的な手続きを行った場合でも、家賃値上がりが認められないケースもあるので注意が必要です。
解約されてしまう
家賃値上げをすると、入居者が不満や不信感などを感じてしまい、賃貸借契約を解約してしまうリスクがあります。
入居者が解約してしまうと、家賃収入が減ってしまうので、安定的に賃貸経営ができなくなってしまう可能性があるので注意が必要です。
また、次の入居者を見つけるのに、追加で費用がかかってしまうので、大家にとってはデメリットが多く挙げられます。
夜逃げされてしまう
家賃値上げをしてしまうと、入居者が夜逃げしてしまうトラブルが起きる可能性があるので注意が必要です。
常習的に家賃を滞納している入居者に対して、今でも家賃を支払うのがギリギリなのに対して、さらに家賃値上げをしてしまうと、家賃が支払えずに夜逃げしてしまうリスクが高くなってしまいます。
夜逃げされてしまうと、家賃滞納分が回収できないのはもちろん、部屋の片付けやクリーニングなどの手間や費用がかかってしまうデメリットが挙げられます。
夜逃げを予防する対策として、家賃値上げをする以前に、入居者の審査を厳密に行うなどをおすすめします。
家賃の値上げ交渉の手順
具体的に家賃の値上げ交渉の手順としては、以下の通りです。
- 書面で入居者に値上げを通知する
- 入居者と家賃値上げについて交渉する
- 家賃値上げが承諾された合意書を結ぶ
それぞれの手順を解説します。
書面で入居者に値上げを通知する
家賃の値上げは入居者の合意があって成立するものなので、家賃値上げをすることが決定したら、まずは書面で入居者に値上げを通知するようにしましょう。
家賃値上げをする際に、入居者に対していつまでに通知しなければならないという法律上の規定はありませんが、トラブルを避けるためにも最低でも1ヶ月前には入居者に家賃値上げをする旨を通知するのをおすすめします。
後々のトラブルを避けるためにも、入居者との面談記録を書面に残しておくようにしましょう。
入居者と家賃値上げについて交渉する
一方的に家賃値上げをするのを通知するのではなく、入居者とコミュニケーションを取り、納得させることが大切です。
実際に、家賃値上げを通知しても納得する入居者が少ないので、家賃値上げの理由を根拠あるデータを含めて説明することが重要です。
交渉をしても入居者が家賃値上げに納得がいかない場合には、管理費用を下げたり、次回の更新料を無料にするなど入居者に対してメリットを提示して、入居者を納得させる方法も有効と言えます。
家賃値上げが承諾されたら合意書を結ぶ
次に、入居者との家賃値上げが承諾されたら合意書の「家賃改定合意書(賃料改定合意書)」を結びます。
合意書を結ぶことで、言った言わないのトラブルに発展するリスクを減らせることが可能です。
具体的に家賃改定合意書については、以下の内容を記入する必要があります。
- 対象物件の表示(登記の内容)
- 入居者の氏名と住所
- 家賃変更の合意について締結する旨
- 現状の家賃と値上げ後の家賃
- 値上げ後の家賃の適用開始日
家賃改定合意書に入居者からサインと印鑑をもらったら、無くさないようにしっかりと保管するようにしましょう。
家賃の値上げを成功させるポイント
家賃の値上げを成功させるポイントについては、主に以下の3つがあります。
- 家賃値上げをする理由を明確にする
- 専門家に相談する
- 家賃値上げをするメリットを示す
それぞれのポイントを紹介します。
家賃値上げをする理由を明確にする
家賃値上げをする理由を明確にしておくと、入居者が納得しやすくなるので、家賃値上げを成功させることにもつながります。
実際に、家賃の値上げをするには、正当な理由が必要になるので、基本的にはその内容を入居者に伝えれば問題ありません。
例として、周辺の家賃相場が高くなっており、現在の家賃が相場よりもだいぶ低く設定されており家賃値上げをしたい場合などは正当な理由に含まれます。
専門家に相談する
家賃値上げを成功させるポイントとして、専門家に相談することも有効です。
専門家は、過去に家賃値上げの交渉の経験やノウハウなどを多く持っているので、どのようなトラブルが起こる可能性があるのか予想しながら対応が可能です。
万が一、入居者とのトラブルが起きてしまった場合でも、適切に対処ができるので、大家と入居者のお互いが納得した形に持っていくことができます。
弁護士
家賃値上げに関して入居者とトラブルになっている場合には、弁護士に相談するのをおすすめします。
弁護士であれば、家賃トラブルで調停や訴訟を行う際にも、手続きを行ってくれるので、スムーズにトラブル解決することにもつながります。
また、家賃値上げの交渉方法も法律に基づいて行うことができるので、安心してやり取りが可能です。
家賃値上げをするメリットを示す
家賃値上げをするメリットを入居者に示すことで、家賃の値上げを成功させることにもつながります。
新しい設備を導入したり、入居者が使いやすいようにゴミ捨て場を広くするなどの入居者に対してメリットを示すことで、入居者が納得しやすくなり、スムーズに家賃値上げが可能です。
しかし、家賃を値上げした金額以上を入居者にあててしまうと、必要以上に費用がかかってしまい、損をしてしまうリスクがあるので注意が必要です。
家賃値上げの交渉がまとまらない場合の対処方法
家賃値上げの交渉がまとまらない場合の対処方法については、以下があります。
- 調停を申し立てる
- 訴訟を提起する
- 売却をする
それぞれの対処方法を紹介します。
調停を申し立てる
入居者が家賃値上げに応じてもらえない場合には、裁判所に調停を申し立てをすることで、家賃値上げの話が上手くまとめる可能性があります。
調停とは、裁判とは異なり、話し合いによってお互いが合意することを目的にしている手続きです。
調停を行う際は、賃貸の所在地を管轄している簡易裁判所に申立を行う必要があります。
しかし、調停が終わるまで、少なくとも3ヶ月ほどかかってしまうことや、弁護士費用も必要になるので注意が必要です。
民事訴訟を提起する
調停で家賃値上げに関する話がまとまらなかった場合には、裁判所に民事訴訟を起こします。
民事訴訟とは、裁判官が大家と入居者の言い分を聞いたり、証拠を調べたりなどして、最終的に判決を行う手続きです。
しかし、民事訴訟は調停に比べて、期間や費用が多く必要になるので、最終手段として利用するようにしましょう。
家賃値上げが認められる正当な理由を把握しよう!
今回は、家賃値上げの正当な理由を知りたい方に向けて、家賃値上げをすると起きる可能性があるトラブルや家賃の値上げを成功させるポイントを紹介しました。
家賃値上げが認められる正当な理由については、以下があります。
- 相場よりも家賃が安い
- 全体的な物価上昇
- 建物や土地の評価が上がった
また、家賃の値上げが認められないケースを把握しておくと、入居者とのトラブルを未然に防ぐことにもつながります。
今回の記事を参考に、家賃値上げが認められる正当な理由を把握しましょう。
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